「30分でわかる悪性リンパ腫のお話し」悪性リンパ腫の症状や治療方法を詳しく説明。最新の治療方法をわかり易く説明します。
悪性リンパ腫について30分でもわかるように解説していきます。
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トップページ>悪性リンパ腫治療

化学療法悪性リンパ腫になった場合の治療方法としては先ず悪性度と病型により判断します。どこにどのようなものがあるかで考えなければいけません。ごくごく小さな1mm程度のものから末期近くの悪性のものとではかなり異なります。そして人体の腰から上にあるのか、下にあるのかでも方法が異なります。

今現在病院で行われている代表的なものは2種類に分かれており年齢、今現在の体の具合、病歴、手術歴、そして治療を初めてからも手順が異なることがあり、組織の拡散や予後により今まで予定した方法と違うことを始めたりもするものです。あくまでも実際に生検をとり判断することが多いです。

病気の分類方法としてはホジキンあればBEACOPPかABVD療法となり、びまん性大細胞型リンパ腫であればR−CHOPになり、末梢性T細胞性であればCHOPになり、濾胞性リンパ腫の場合はR−CVPかR−ベンタムスチンかR−CHOP療法を選択することになります。

病期が限局(T期、U期)のように下半身か上半身にだけある初期の段階では放射線と抗がん剤を併用しながら進めていき、かなり進行している(広がっている)場合は化学療法だけがおこなわれることが多いです。血液幹細胞移植を選択した場合は、中高・高悪性度に対しては全身にかけていきます。

いずれにしても放射線か化学療法を選択することになります。 治療方法
としてCHOP療法は3種類の抗がん剤を使用します。ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシンです。

これらの治療をする前に必ず吐き気がなくなるまで時間を待ち、次に点滴を15分間してからになります。

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化学療法

悪性リンパ腫の治療方法で化学療法は、一般的に抗がん薬を使い治療をするのが基本になり、よく使用するのが、ポジキンリンパ腫・非ポジキンリンパ腫を使います。

悪性リンパ腫でよく使用される薬は、アドリアシン、リツシキマブ、ブレオ、ベプシド、エクザール、オンコビン、サイメリン、イホマイド、エンドキサン、ダカルバジン、パラプラチン、ランダ、ロイスタチン、フルダラ、キロサイド、メソトレキセートです。

この抗がん剤の中からそれぞれを組み合わせて使用されます。

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ポジキンリンパ腫

種類 ポジキンリンパ腫は、日本人にかかる人がとても少ないですが若い年齢層がかかりやすいです。一方どちらかというとアメリカ人にはとても多いです。この病気は非ポジキンリンパ腫と異なり躯関部から近くのリンパ節以外の部分に進むことがあり、限局すると放射線治療をおこないます。結果的に感知するまでの時間がとても短いです。

進行期にはABVD療法が一般的な治療方法になります。 非ポジキンリンパ腫 非ポジキンリンパ腫は、さまざまな場合の疾患のことを言い、B細胞リンパ腫とT細胞・NK細胞リンパ腫に分けられます。

非ポジキンリンパ腫

この病気の場合は5つの項目を基準に検査を進めていきます。

  • 病期(ステージ)が3期以内であるか
  • 1日の何%くらい起きているか
  • 年齢が60歳以下であるか
  • 2か所に病気がないか

R−CHOP療法(チョップ)

段かい化学療法をメインとした非ホジキンリンパの治療方法のひとつで何種類かの抗がん剤とステロイド薬にリツキシマブを追加ながらを使用していきますがこの方法が一番効果があると考えられています。その他には副作用があまりない分子標的薬を使用することもあります。

治療期間の目安としては1週間連続でおこないこれを1クールとして終了すれば1週間なにもしないで体を休めます。

リツキシマブだけを使うかRチョップ療法(抗がん剤とステロイド)を併用していくかを選択します。
治療で点滴をしますが吐き気をおよぼすことがあるのでドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンを使うとき等は開始30分以内にしましよう。点滴を始めてから開始前と異なる症状がでてきたらすぐにやめたほうがいいでしょう。男女差に関係なく現れるものとしては吐き気、嘔吐、寒気、じんましん、ぜんそく発作、発熱等です。

放射線治療

放射線療法悪性リンパ腫の場合、エックス線(X線)写真やコンピューター断層撮影(CT)をする場合と核医学治療のどちらかでおこないます。X線という言葉は皆さんよく聞いたことがあると思いますが体の内部を完全に画像モードで判断できるシステムのことです。そして物体を組み合わせたものを調べるのが核医学です。

放射線をがんに打つと細胞が分断され増殖の進行が遅くなったり小さくなり最終的には完全に消えてなくなることがあります。但し患者さんによっては正常な細胞が治療をすることにより壊され新たな癌が発生することもあります。

この方法によりすぐに完治するのが理想ですが一度やって効果がなければ他の方法を考えなければいけません。

移植療法(自家・同種造血幹細胞移植)

初期 この治療方法は健康な細胞(がんに侵されていないもの)を体から取り出し最適な時期を見計らい点滴で体内に戻す方法や癌が再び再発した場合や治療することがとても難しい場合におこないます。
造血幹細胞とは、血液になる細胞のことです。

自分の細胞を使用する場合とは化学療法を何度か繰り返していき次第に癌の大きさが小さくなったような一定の効果がでた場合に自分の血液から造血幹細胞を取り出してこれを専用の機械に冷凍保存し、再び患者さんの体に戻すという方法です。
自分の細胞を再利用するので拒絶反応が少なく効果が高いです。

造血幹細胞移植は患者本人の細胞を移植するか一卵性双生児からの移植を同系移植といいこれを使うか、骨髄バンクに登録されているHLAが適合する他人の細胞を移植する非血縁者間移植といいます。移植療法は化学療法より優れた治療効果があるとの結果が多数報告されています。 但し他人の細胞を使用すると拒絶反応をおこす場合もあります。

進めていきかたとしては、全身を照射することで全ての病原菌を破壊し元の正常な骨髄を移植するものです。治療をおこなう場合は完全無菌室で朝、昼、夜と3回おこないこれを3日間繰り返します。その間は面会はできませんので注意して下さい。体の抵抗力が減退し白血球が極端に下がるので異常値でもあまり気にしなくて結構です。あくまでも治療の一環とお考え下さい。

最も効果が期待できる療法

近年、治療効果が最もあるとされているのは化学療法と免疫抗体療法の2つを組み合わせるものでリツキサンというものがあり、CD20単クローン抗体で悪性リンパ腫のB細胞性になります。

治療前に気をつけること

放射線は診断と治療で異なります。診断は体の内部を画像にして判断することで治療は病原菌を完全に死滅(破壊)させることです。治療前に確認しておくことはお薬履歴と皮膚の状態をしっかり確認するということです。お薬の場合はやはり人間の体で一番デリケートな心臓に関するものを服用していないかを確実に把握しておかなくてはいけません。

そして皮膚の表面から何度も患部に向けて照射するので体の中に入りこんだ放射線が悪さをしないか経過を確認しなければいけません。
一番怖いのは健康なよい細胞まで死滅させてしまうことです。

悪性リンパ腫は細胞が活発に動く若い方のほうが間違いなく広がりが早いので気をつけなければいけません。そして肺臓炎やヘルペスそして様々な感染症にも気をつけなければいけません。ヘルペスは唇の表面が赤くただれるような見た目になりますが、軟膏等をつければ何日かでなくなります。

女性の場合、骨盤付近に0,5グレイ程度を照射する場合、子宮や卵巣にかからないよう特に気をつけなければ不妊や閉経になる可能性もあるので卵巣を絶対に残したいという場合は位置を変える外科手術をおこないここなう選択もできるのでじっくり考えてから悪性リンパ腫の治療方法を進めたほうがいいかもしれませんね。

女性だけでなく男性も生殖器付近に照射すると無精子になることがあり女性よりも低い0,2グレイ程度でも可能性があると考えられています。

治療費用

費用的に考えれば高ければ高いほど(放射線と薬を併用)悪性リンパ腫の治療期間が短くなり再発の確率も低くなります。
予算のある方は1ヶ月100万円もかかりプラス薬を服用する方もいらっしゃいますが、保険適用できるものもあるので今現在のご自分の予算額や仕事もしくは家族とよく相談してから開始したほうがいいでしょう。

治療のスタートから終了まで全部で10回程度おこなうとしましょう、その場合の計算方法は1回10万円程度かかり、×10回分として計算します。1回につき左からと右から照射してさらに複数回照射します。それ以外にもガンマナイフやリニアック、組織内照射というやりかたもあります。他の臓器にも転移している場合は2つ同時(同じ日、同じ診察時間)にすれば割安にすることができます。

基本的に1回10万円程度かかりますがそれ以外に念のため外部照射を増やすとか特別な方法(手作り)でさらに機械器具を制作しなければいけない場合は別途請求されるようなこともあります。

これらの方法で医療費が1年間でトータル100万円以上を超えるような場合は高額療養費制度というものがあるので毎月1日から末日まで締めで計算して支給されますが年齢や所得に応じて計算方法が若干ことなります。

負担限度額は年齢や年収を基準として5段階に区分されており、70歳までのかたで年収が370万円から770万円未満のかたで1か月の医療費が8万円を超えると適応となります。

この方法でやるためには事前に健康保険組合の窓口で限度額適用認定申請をして認められれば認定書がもらえます。

悪性リンパ腫のような重い病気になっても国による援助はほとんど見込めないので自分で何とかしなければいけません。癌保険に入っていれば問題ないのですが入ってないかたにはとても大きな負担としてのしかかってきます。

この病気は若年層(20歳くらいに多い)でもかなりの人数がかかるので介護保険や老人保健に入ることもできない年齢なので出費はかなりのものになります。

入院と通院した場合は精神的には入院しているほうがいざというときに安心できるとおもいますが、お金の計算でいくと入院のベッド代という国が定めた標準的な計算方法があるので割高になるでしょう。計算の仕方は外来で来る患者さんには出来高方式で計算して、入院患者さんにはDPC定額分と出来高方式を足した金額になります。

医療費の支払いが月の計算で一定額を少しでも超えると一度払った医療費を返してもらえる方法がありこれを高額療養費制度といいます。例えば1か月で30万円くらいかかった場合は22万円くらいは返しもらえるので市町村役所もしくは社会保険事務所に問い合わせてみて下さい。

委任払い

この制度は自営業や会社経営者で国民健康保険に加入している方向けにある制度です。長期入院や高額な抗がん剤治療をした場合に公的機関が一時的に建て替えてくれるという方法があります。

貸付制度

会社勤めの方や国民健康保険(国保)のどちらでも対象となり公的機関が一時的に治療費を立て替えてくれますが満額ではなく80%程度になります。

傷病手当制度

これは社会保険に加入している方が対象で悪性リンパ腫になりどうしても治療で1ヶ月、2ヶ月と連続して会社を休むまなければいけない人向けの制度です。但しアスベストで体を害したかたは労災認定になるのでこの制度は適用外になります。

治療期間

どれくらいすればこの病気が治るかがやはり皆さん最も知りたいところだと思います。
基本的には担当のお医者さんが決めていきます。又、治療期間中は先生の言われたことを必ず守り何かあったもご自分の判断で物事を決定しないほうがいいでしょう。

治療にかかる合計の日数としては7週間前後になります。計算方法としては1週間の内、2日は体を休めたほうがいいので5日間を連続としてこれを6クールおこなうのが最も理想な進め方でしょうし、他の先生がやるにしても同じことを考えるはずです。

仮に何らかの理由で5日毎日のパターンが継続できずに2週間〜1か月間隔があいてしまった場合は、至急主治医を訪問して再度日数の組み立てをしとほうがよいでしょう。費用的にも変更せざる負えない場合は素直にお医者さんに伝えましょう。

悪性リンパ腫という病気は他の病気と違いリンパ節が腫れるという特殊な病気なので治療期間も少し長くなります。

Q&A

Q:レジメンが変わることがありますか
A:あります。

Q:抗がん剤を1日だけ指定通り飲むことを忘れてしまいました。
A:飲まなかった分はそのままにして与えられた分を次の日から飲みましょう。そうすると何錠か残りますがその分は捨てて下さい。一度の服用量が2倍になると悪影響をもたらしますのでやめて下さい。 悪性リンパ腫の場合、予後が不調になることがあります。

Q:治療中になるべく摂取したほうがいいものがあれば教えて下さい。
A:抗がん剤治療を始めるとほとんどの方が食欲がなくなり今まで主食とされていた白米を敬遠し果物や乳製品をメインにとり始めるものです。
これは病気という精神的なショックもありますが
体もあまり使わなくなるのでエネルギーが不要になりお腹がすかなくなるものです。

しかし悪性リンパ腫にたんぱく質はあまりよくないと考えられています。そもそもたんぱく質を取り過ぎるとB細胞ができると考えられているからです。特に多いのがバルメサンチーズ、高野豆腐、クロマグロ、納豆等でスーパーでもよく販売されているものです。

この病気以外の患者さんはなるべくたんぱく質を含むものを摂取したほうが良いですが牛乳やチーズヨーグルトのようなものがいいかもしれません。牛乳は成人男性ですと逆にお腹を壊す可能性があるのであまり無理をしないほうがいいかもしれません。

Q:海外旅行に行き薬を忘れて1週間服用しませんでした
A:7日あけると悪性リンパ腫の癌細胞が復活しさらに増殖てくるのでよくありません。一定期間間をあけるのはよくないので2週間に一度でいい注射をしたほうが良いかもしれません。

Q:薬は朝、昼、夜にそれぞれ処方するとありますが夜勤が多いのでどうすればよいでしょうか。
A:そうすると8時間おきに服用するというスケジュールをたてればよいと考えます。

Q:天災で病院の機能が失われました。
A:このような場合、災害救援患者さんほうが疾患患者さんより優先されますので一定期間治療をストップせざるおえなくなるかもしれません。
東北大震災(地震と津波)の時は3ヶ月くらいどこの病院も満足に措置ができないという状態に陥りました。

Q:抗がん剤治療だけでは心配なので時間をあけて化学療法も考えております。
A:体の中では白血球が極端に減少して容姿の変化としては一部の人ですが脱毛があります。よってキャップやウイッグを用意しておいたほうが良いでしょう。キャップはシルク素材のものが肌には優しいです。

Q:外出する際に薬は持ち歩いたほうがいいですか、それと吐き気や大便も心配です。
A:外出時は持参したほうがいいです。特に悪性リンパ腫の薬はなかなか手に入りにくいので誰かのを分けて下さいということができません。吐き気は我慢できないので自然にして下さい。大便も同じです。

Q:抗がん剤を始めると1クールから突然便秘になり1週間でません。
A:これは皆さん経験されることですので特に異常ではありません。自然に排出するというのが理想ですが出ない場合は浣腸や下剤、オリーブオイルを飲む、市販の便を柔らかくする薬を飲んで出してみるのがいいかもしれません。腹部をマッサージして大腸を動かしてもあまり効果がないかもしれません。

Q:便秘ではどういう薬を飲めばいいですか
A:便を柔らかくするのは参酸化マグネシウムとラクツロースの薬剤がいいでしょう。腸に刺激を与えるのはセンナやセンノシドです。

Q:抗がん剤を服用したあと何時間経過してからお酒を飲めばよいですか
A:絶対飲んではいけないということはないですが、悪性リンパ腫は血液の病気なので抗がん剤を使う日はなるべく飲まない若しくはコップ1杯程度に抑えたほうがよいかもしれませんね。血中濃度が増え結果がよくないこともあります。

Q:抗がん剤を飲み続けていると初めはそうでもなかったのですが一気に髪の毛と眉毛が抜けました。育毛剤を使用してもよいでしょか。
A:薬を使用したら体のいいところと悪いところどちらも攻撃することになりますが、順番的には頭髪に影響がでます。よって治療を続ける限り髪の毛は抜けますし、育毛剤や発毛剤が勝るということもないでしょう。

Q:風邪をひいたらどうすればいいですか。
A:どうしても我慢できない場合は受診したほうがいいです。白血球が急激に減少してくるのでさらに体が悪くなる可能性もあります。インフルエンザの注射を予防として毎年打っても大丈夫です

Q:病院で出される食事のあとにサプリメントを飲んでも大丈夫でしょか。
A:基本的に大丈夫ですが本来の完治より遅れる可能性もあるのでなるべく控えたほうがよいかもしれません。

Q:抗がん剤治療中に子供を身ごもっても生まれる前の胎児の状態で気をつけることはありますか
A:お腹の中にいる赤ちゃんはお母さんの分身と知ってもいいほどすべての影響を受けるものです。35歳以上で着床した方は凄く運がいいと思いますし授かった命は大事にしましょう。但し先天性や催奇難形性の子になる可能性があるので出産前に検査をして生むかどうするかの判断をすることもできます。

まとめ

どの部分をどのようにするかですが病気が初期の場合はやごく小さいものは放射線や抗がん剤を使用してレベル的にある程度病気が進行している場合は造血幹細胞移植、免疫抗体療法を選択します。そして一般的な化学療法をすることもあります。